人口減少社会の行き着く先

「人口減少社会」の在野の研究者。「人口減少社会」の行き着く先を探してます。大磯に山林所有。

2030年の日本を語ってみる:就職活動中のたくやくん

 

 

たくやくんの場所↓

 

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「ふぅー」

 

帰りの電車に乗り座席に座ったとたん、ため息とともに肩の力が抜ける。

 

年が明け2030年になって初めての面接も、やはり幸先はよくなかった。

来月で25歳を迎える。

 

大学を卒業しすでに2年近く経つが、卒業後2年でそれなりの企業やNPOに就職できた同級生は稀なので、そこまであせってはいない。

 

国立の有力大学や一流私大ならまだしも、中堅どころの大学卒なんて大体みんなこんなもんだ。

 

10年くらい前は新卒一括採用なんて慣行があり、大学でたら半分以上がそのまま就職できたらしい。

 

今は新卒や既卒はおろか、親父と同じくらいの年のおっさん達と椅子取りゲームを繰り返し、若さと熱意をアピールして数少ない椅子を掠め取る時代だ。

 

旧型のiphone12でスケジュールを確認する。

面接でアピールするために始めた、ただ働き同然のNPOのボランティアをそろそろ再開しなければなるまい。

 

このNPOのボランティアは彼女であるみさきの紹介で始めた。

みさきはお世辞にもきれいとは言えないが、とても頭の回転が早い。

優秀な人材として、すでにスタッフとして働いており、ちゃんとした給料取りだ。年収も20代半ばにしてすでに400万円を越えている。高給取りといっていいだろう。

 

みさきだったら10年くらいはあの激務なNPOでやっていけるんだろうな。

 

給料体系はいま主流の前年の成果に応じて決まる業績連動型だときいた。

年齢は一切関係ないやつだ。

 

みさきと今の自分の格差を考えると憂鬱になる。

気分転換にネットサーフィンしながらニュースをぼんやり眺める。

 

為替相場のニュース 

1ドル 234.6円と235円を下回り久しぶりの本格的な円高基調

 

日本の財政再建のニュース

日本が財政破綻し、「ジャパンショック」と呼ばれた世界恐慌から5年経ち、IMFが融資引き上げの準備を開始

 

日本の高齢化に関するニュース

65歳以上の高齢者が人口の32%。

 

日本の人口減少に関するニュース

統計局の発表によれば、日本の人口は約1億16百万人。

前年から67万人の減少となり過去最大。

 

いつものことながら、微妙なニュースばっかりやん。

 

そういや親父は今日出国だったな。いつものことながら出稼ぎご苦労さんだわ。

親父がいなくなって、また晩飯は家庭菜園でとった野菜炒めか野菜カレーの日々に戻るのか。

 

夕日を浴びる東海道線の中で、たくやは目を閉じた。

 

面接で落とされるたび、自分が世の中に必要とされてないかのような気分になる。

働きたい。今年の目標はやっぱり就職だ。

給料激安だけど、幼馴染のユウタと同じ介護でもいいや。

 

そんなことを思いながら、いつの間にか寝息をたてるたくやであった。

 

おしまい

国に頼らず、投資家かなんちゃって自給自足。それこそ個人が目指すべきゴール。③

「人口減少社会」が本格するこれからの時代、個人レベルでの基本スタンスと目指すべきゴールは何か。

 

このシリーズも今回が最後です。

 

個人レベルでの対策について、このシリーズはあくまで総論に過ぎませんが、次回以降の記事の大枠にあたるものです。

 

前回に続き、僕なりにだした答えをもう一度書いた上で、目指すべきゴールがどうしてそうなるのか、説明していきます。

 

  • 基本スタンス :国に頼らない。但し、義務は履行し、利用できることは最大限利用する。

  • 目指すべきゴール:投資家かなんちゃって自給自足。

 

しつこく繰り返しますが、この基本スタンスと目指すべきゴールはとてつもなく大事です。

 

本題に入ります。

 

前回、グローバル経済における労働者の立場からは脱却を目指すべきと書きました

 

グローバル経済における、というところがポイントです。

 

この労働者の立場から抜け出したとき、ある人たちはこの世界において「上がり」の状態を迎えます。

 

ハッピーリタイアできた人たちです。インフレ対策も兼ね、主に保全目的で資産運用を行います。

つまり、この「上がり」を迎えた人たちは、投資家です。もちろん、消費者でもあります。

 

消費者として切磋琢磨を続けるグローバル経済の恩恵を常に享受しながら、そして悠々自適で自由を謳歌しながら、残りの人生を送る。

 

羨ましい限りです。こういう人たちの中には、自分でビジネスを始めたり、社会と携わるために労働者であり続ける人もいます。

 

ですが、それは必要に迫られてのことではなく、「自己実現」のためです。そのため、「上がり」を迎えたけれども労働者であり続ける人を、ここでは労働者として扱いません。

 

この「上がり」を迎えることが、まず目指すべき目標です。

 

但し、気をつけなければならない点が一つ。

 

日本で定年退職し、年金を受給し、その年金に依存して生活している人たちは、「上がり」とは呼べません。

 

年金に頼るとはつまり国に全面的に頼ることです。

 

今の年金受給者がすぐに生活に困ることはないでしょうが、中長期的にみて、年金の実質的な減額は不可避だと僕は考えています。

 

つまり、年金に依存したリタイアは、ここで述べている「人口減少社会において目指すべきゴール」ではないのです

 

一度まとめます。

  • グローバルな経済の中で、労働者の立場を卒業し「上がり」を迎える人がいる。
  • この人たちこそ、人口減少社会において目指すべきゴールの一つである投資家である(もちろん、消費者でもある)。
  • 但し、年金依存のリタイアは、目指すべきではない。

労働者を卒業し、国に頼らない投資家になれれば、その後は素晴らしい人生です。

 

仮に贅沢はできなくても、毎日の充実度が違います。人生が新たに始まったかのような気持ちになるでしょう。

 

残念ながら、上記のゴールにたどり着ける人は多くありません。むしろ少数派でしょう。

 

残りの人は、どうすべきでしょうか。

 

僕なりの答えを言います。投資家の道はあきらめ、消費者の立場を極めるのです。

 

そして、労働者となる時間はなるべく減らし、お金を払って購入してるものを、できるものから自給自足にしていく

 

日本の空き家はこれからもどんどん増えていきます。

探せばそれなりのロケーションでも、ただ同然で借りることができるでしょう。

 

落ちている枝を集めてロケットストーブ使えば燃料代もかかりません。

 

野菜なんかは農家のおばちゃんと仲良くなれば食べきれないほどくれます。だって実際余ってるんですから。

 

本なんてそれこそ図書館にいけばすべてただです。

ベストセラーも時間が経てばブックオフで100円で買えます。

 

実際、月2万円程度で衣食住満ちたりた生活をしてる人もいるのです。

 

完全な自給自足や月2万円での生活はちょっと極端だとしても、日本が経済大国であり続ける限り、年間100万円もあれば、充分に生活できるのです。

 

もし自給自足の手段として釣りや農業もやれば、生活にかかるお金は更に減ります。

 

こういう生活を選択できる日本の人は、世界的にみても極めて恵まれています。

 

他人と比べてどうかという競争ありきの価値観から抜け出して、お金をかけずに、自分が満足できる環境を自分で作りにいく

 

価値観の転換さえできれば、この環境作りは非常に心地よいものです。

 

この環境作りを僕はなんちゃって自給自足と呼んでいます。最低限の労働はしなければなりませんが、それは余暇をより楽しく過ごすためのスパイスだと割り切りましょう。

 

ちなみに、こういう環境作りを個人ではなく、共同体として行うという選択肢もあります。

 

地域通貨の導入や、地元密着型のNPOの支援など、こちらの方が人口減少社会にとるべき対応として一般的かも知れません。

 

僕はそれを個人で行ってもよいと思うのです。

 

むしろ、そういう個人が増えることで、新しい価値観の共同体がどんどん活性化していくはず。

 

人生は人との競争ではありません。

自分の道を探す旅です。

 

その旅を終えるとき、

 

 

いろいろあったけど、やっぱり楽しかったね、

出会えた人たちありがとう。

 

 

そう言えれば、その人にとってよい旅なのです。それでいいのです。

 

最後にまとめます。

  • 投資家になれなければ、消費者を極め、労働者の立場は最低限に留める。
  • 日本は恵まれており、その気になれば自給自足に近い生活、なんちゃって自給自足ができる。
  • 競争するために生きてるのではない。他人と比較するという従来の価値観を変えていこう。

 

今日はここまでにします。


課題はまだまだたくさん。書くことには困りません。 

国に頼らず、投資家かなんちゃって自給自足。それこそ個人が目指すべきゴール。②

前回の記事では、「人口減少社会」が本格するこれからの時代、個人レベルでの基本スタンスと目指すべきゴールは何か、僕なりにだした答えを書きました。

 

そして、そのうち、基本スタンスについて、掘り下げて説明しました。

 

今回の記事では、個人レベルでの基本スタンスと目指すべきゴールは何か、僕なりにだした答えをもう一度書いた上で、目指すべきゴールがどうしてそうなるのか、順を追って説明していきます。

 

  • 基本スタンス :国に頼らない。但し、義務は履行し、利用できることは最大限利用する。

  • 目指すべきゴール:投資家かなんちゃって自給自足。

 

前回に続き繰り返しますが、この基本スタンスと目指すべきゴールはとてつもなく大事です。

 

本題に入ります。

 

恐らく、すべての人は今この時点でいくつかの役割を同時におっています。誰かの子供であり、誰かの親であり、どこかの会社の社長であり、株主であり、従業員であり、などなど。

 

ここで切り口としたいのは、この現在のグローバルな経済において、個人レベルでどのような役割をおっているか、です。どのように関わってるか、と言い換えてもOKです。

 

ほとんどの方が、下記のどれか、もしくはそのうちいくつかに関わっているはず。

 

この現在のグローバルな経済において個人レベルで

  1. 労働者として関わっている
  2. 消費者として関わっている
  3. 投資家として関わっている
 

いかがでしょうか。

特に

「2.消費者として関わっている」

というのはほぼ例外なく全ての方だと思います。

 

これらの関わり、実は別の角度から捉えることができます。

 

実は、この現在のグローバルな経済においてどのように得をして、どのように損をするか、これらの関わりはそのパターンを意味しているのです。

 

分かりづらいですね。具体例を挙げましょう。

  1. 労働者は、このグローバルな経済に身を応じて、価値を生産し、対価としてお金をもらう。
  2. 消費者は、このグローバルな経済に、お金を投じて、生きるのに必要な衣食住等を得る。
  3. 投資家は、このグローバルな経済にお金を投じて、経済活動の余剰価値をお金として吸い上げる。

少しイメージが沸いたでしょうか。

労働者は、時間や技能を提供し、価値を生産し、対価としてお金をもらいます。上手くいけば、その生産した価値に見合うお金をもらうことができるでしょう。

しかし、その仕事をしたがる人が増えれば、少ないお金でもその仕事をしたい人がでてきます。結果、生産した価値より遥かに少ないお金しかもらえません。

 

消費者は、お金さえあれば、必要な財サービスを購入できます。みんなが競争するおかげで、どんどん財サービスは安く、品質もよくなっていくのです。PC一つとっても、一昔前より遥かに安く高水準です。稀に高値掴みをしたり騙されたりしますが、基本的に消費者は、グローバルな経済から一方的に得をする立場です。

 

投資家は、お金をだして展開した事業が上手くいけば莫大な利益を手にします。成功すればするほど青天井の世界です。反面、大きく失敗すれば、投じたお金は戻ってきません。つまり投資家は、損失は限定的でありながら、成功すれば利益は青天井となります。更に、投資家は負担するリスクを変えることにより、利益は定額だが安定的で、損失の可能性がほとんどないという選択をとることもできます。

 

ここで一度整理します。

 

労働者と消費者と投資家、一番得するのは誰でしょうか。

 

答えは投資家です。

そして、投資家の次に得をするのは消費者です。

 

確実に得をする、という点では消費者が一番かも知れませんが、利益を青天井とするか、利益は決まってるが安定的に得るか、選択できる投資家を、ここでは一番とします。

 

では、一番損しやすいのは誰でしょうか。

 

もうお分かりですね。答えは労働者です。

特に、機械だけでなく賃金の安い新興国の労働者とも競合していく先進国では、ごく一部のエリートと呼ばれる強者を除き、労働者は常につらい立場にたたされます(途上国でも劣悪な環境下で半ば強制的な労働に従事している人がいますが、テーマが違うのでここでは扱いません)。

 

思い出してください。日本の自殺者はつい最近まで年間三万人を超えていました。その大半の方は、労働者の地位を無理矢理剥奪されたり、労働者として追い込まれたりして自ら命をたったのです。

 

更に、ここが強調すべきポイントですが、人口減少社会となる日本では、税金と社会保険の負担が年を追うごとに、他の先進国より顕著に増していくのです。

 

 まとめます。

 

 

  • 私たちはこのグローバル経済において、労働者、消費者、投資家の主に三つの役割を担います。
  • 美味しい思いをするのは、投資家>消費者>労働者の順です。
  • 先進国の労働者は、ごく一部の強者を除き、搾取され続ける運命にある(途上国でも搾取の例はあるが、ここでは扱わない)。
  • 更に、人口減少社会が本格化する日本では、税や社会保障の労働者負担が増え続ける。

 

以上から、目指すべき道として、まず労働者の立場から脱却しなければなりません。

 

今すぐでなくてもいいのです。10年、20年かけてもいい。但し、労働者でいる限り、心身ともに削られる環境に身を置き続けることになるでしょう。

 

まだ途中ですが、長くなりましたので、次に続けます。


 

国に頼らず、投資家かなんちゃって自給自足。それこそ個人が目指すべきゴール。

「人口減少社会」という言葉が使われ始めたのは2005年の終わり頃。「2005年国勢調査」の最初の集計結果である速報人口を統計局が公表した時に広まりました。

ウィキペディア ↓

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E6%B8%9B%E5%B0%91%E7%A4%BE%E4%BC%9A

 

まだ使われだして10年も経っていません。

 

日本の人口減少が本格化したのが2008年頃ですから、「人口減少社会」という言葉が世論を跋扈するのはもう少し先になりそうですね。

感覚的には2020年の東京オリンピック「後」がメディアの視野に入る2017年 - 2018年頃からくらいでしょうか。

 

もちろん今現在でも、「人口減少社会」に関する本はでてます。良書も多いです。

 

また、自治体レベル、もしくはそれ以上のマクロな視点から、「人口減少社会」にどう対処すべきか、については数年前から議論が始まってます。

 

ですが、個人レベルでの対応策についてはまだあまり議論されていません。

景気循環が邪魔をして、日常的に間のあたりにするのはまだ先。実感わかないから、この手のミクロな話は需要がないのかも知れませんね。

 

「人口減少社会」に個人としてどう対応すべきか。

基本スタンスと目指すべき道について僕なりの答えを記載します。

 

  • 基本スタンス :国に頼らない。但し、義務は履行し、利用できることは最大限利用する。

  • 目指すべきゴール:投資家かなんちゃって自給自足。

 

この基本スタンスと目指すべきゴールはとてつもなく大事だと考えています。いくら強調してもし足りないくらいです。

 

順を追って説明します。

 

前回の記事でも触れましたが、「人口減少社会」に向け、日本の将来不安は深刻です。

 

社会保障費は今後も増加し、その主な受益者かつ有権者の多数である高齢者は、自ら痛みを伴い、その既得権益を顔も知らない次世代のために手放すようなことはしません(自分の子供・孫は別)。

高齢者が悪者なのではなく、人間としてそれが当然だからです。

 

国として問題が山積し、かつそのボール一つ一つが大きすぎます。これらの問題に正面から向き合うのではなく、耐え切れなくなるまで先送りするのがワーストシナリオにいかせないためのメインシナリオです。

 

もちろん、「問題に対処しきれないので先送りします」なんて本音はいいません。都度都度、建前としてはもっともらしい理由をつけるでしょう。

世論も悪気なくそれに同調します。

それにつられ、世間も同調します。

 

こういう本音が分かってる中で、個人としてどこまでも世間に付き合い続ける必然性はありません。

 

まず根っこのスタンスとして、耳障りの良いことしか言わない(言えない)国に、全面的に頼るのはやめるべきです。

具体例を一つ。もし30代以下の方であれば、年金を当てにするのはやめましょう。確定拠出年金等の企業年金は別にして、もらえたらラッキーくらいに捉えるのです。

 

何かに依存すると、その何かに問題が起きたときに悩みが大きくなります。

 

その問題に振り回されるくらいなら、「困っても依存先が何とかしてくれる」というその気持ちをまず断ち切るべきです。

 

いざとなったら国が何とかしてくれるというその気持ちを断ち切るのです。

 

そうすることで、自分個人として「人口減少社会」にどう向き合うべきかという問題の本質が見えてきます。

 

断っておきますが、この「国に頼らない」というのはあくまでも基本スタンスです。年齢や状況によって、具体的にどの程度とするかは異なってきます。

 

また、今後縮小されてくでしょうが、国民皆保険など利用できるサービスは当然利用すべきです。その対価として義務の履行はしなければいけません。

 

納税を中心とするこの義務の履行も、要求レベルが今後どんどんきつくなっていきます。合法的にその義務を個人レベルで軽減する方法もありますが、今ここで扱うテーマではありません。

 

以上が、「人口減少社会」に個人として向き合うための基本スタンスです。

 

長くなったので、目指すべきゴールについては次回で説明します。

人口減少社会に突入し、その流れが加速するこれからの日本

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年始から暗いニュースです。

 

負担増時代~相次ぐ増税と消えぬ年金不安

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働き手が減ってお年寄りが増える→増税と年金不安

 →将来不安により子供が更に減り人口が減っていく

 

しごく当然の流れです。これこそが人口減少社会のトレンドです。しかも、このトレンドは日本では今後中長期的にほぼ確実に続くことになります。

この長い下り坂の中で、日本はいくつか経済危機を経験するでしょう。この経済危機は大きな大きな引き潮です。この引き潮を繰り返し、日本経済は長い低迷期に陥っていきます。残念ながら、ほぼ確実な将来です。

 

すでにバブル崩壊から陥ってるのは?いえいえ、これから迎える危機はそんなレベルではありません。

 

本来、このような国民の生活を左右する出来事の舵取りを担うのは政治の役目です。

ですが、このような人口減少社会の問題に関して、残念ながら日本の政治による解決は当面不可能です。日本は既得権益の大半を握っている高齢者の層が厚すぎます。彼らはこのニュースの主なテーマになっている年金の主な受益者です。受益者が自らの権利を放棄して次世代のために自ら苦しみを背負うでしょうか。せいぜい自分のかわいい孫の教育資金を工面するなどが大半でしょう。

 

加えて、痛みを伴い手当てすべきだった時期をすでに逸しています。どれだけ有能な政治家でも、この日本の人口減少問題に正面から向き合い、問題の先送り以外の解決策を見出すのは容易ではありません。

 

まとめます。

 

日本はいま、

  • 若手が減り、お年寄りが増え、人口全体が減る人口減少社会に突入しており、
  • この流れは今後加速する。
  • 人口減少社会では人々の将来不安が増していくが、
  • 政治で止めることは難しく、すでに行動を起こすべき時期も過ぎている 。

という状況にあります。従来の経済成長ありきのマッチョな価値観のまま、この状況をポジティブを捉えることができますでしょうか。

 

僕にはできませんでした。

 

だから、価値観を変えなければと考えました。価値観を変えることで、従来の価値観に囚われて気づけなかったものが見えてきます。

 

なんだ、人口減少社会も捨てたもんじゃないじゃんて、思えるようになります。

 

ただし、そう思うことは簡単ではありません。なぜなら、世間が従来の価値観(パラダイムといっていいかも知れません)のままだからです。従来の価値観こそが、消費をすることで欲望を満たし、欲望を満たすことで経済が成長していくための原動力なのです。

 

断っておきますが、従来の価値観が劣っていたとか悪いわけではありません。むしろ、生活をここまで便利にしたのは、この従来の価値観と、その価値観に基づき秀でた人が成果をだしたからです。

 

これは非常に賞賛されるべきことです。ですが、おそらく今後の日本において、世間に流され従来の価値観一色のままでいると、本音と建前の綻びに巻き込まれます。そういう人は今もたくさんいますし、このままだと今後も増えていくでしょう。

 

だからこそ、綻びの近くにいる人に、新しい価値観を提示することが大事になってくるのです。

 

人によって状況はさまざまです。

従来の価値観のまま世界を相手に戦うも、夢破れ身の丈にあった生活を営むも、個人の自由であって、僕がそこに口出しできることではありません。

 

ただ、これから否応なく突入する日本の人口減少社会がどのようなものなのか、必要に応じて変えるべき価値観とはどのようなものなのか、それらを知ることはほとんどの日本で暮らす人たちにとって、何らかのプラスになるはずです。それをこのブログを通して伝えていきたいと思います。